「空室が埋まらない」「担当者のレスポンスが遅い」「修繕の見積もりが相場より高い気がする」。現在の管理会社にこうした不満を抱えながらも、変更の手間や入居者への影響が気になり、踏み切れないオーナー様は少なくないでしょう。
賃貸管理会社の変更は、オーナー様に認められた正当な権利です。適切な手順を踏めば、入居者に迷惑をかけずに進められます。本記事では、感情的な判断ではなく「経営改善」としての管理会社変更について、工程ごとの実務上の注意点と次の会社選びで失敗しないための基準を解説します。
管理会社変更で得られるメリットと想定されるリスク
管理会社の変更は、収益構造を改善できる有力な手段です。一方で、事前に把握しておくべきリスクもあります。メリットとデメリットの両面を押さえたうえで、変更するかどうかを判断しましょう。
管理会社を変更するメリット:収益構造の改善
管理会社を変更する最大のメリットは、収益構造を根本から見直せる点にあります。
まず、空室期間の短縮が期待できます。募集力のある会社へ切り替えることで、エリアの需要に合った賃料設定やポータルサイトへの掲載方法、仲介会社への営業戦略が見直されます。賃料を下げなくても、募集方法を変えるだけで空室期間が短縮されるケースは珍しくありません。
次に、管理コストの適正化です。管理委託費の相場は家賃の5%程度とされていますが、不明瞭だった修繕費用の適正化や、必要性の低いオプション契約の解除によって、月々のキャッシュフローが改善する事例があります。
さらに、精神的な負担の軽減も見逃せません。報告・連絡・相談がルーズな会社から、レスポンスの早い会社へ変更すれば、オーナー様自身のストレスや確認の手間が大幅に減ります。「今月の入金はまだだろうか」「あの修繕は進んでいるのか」と気をもむ時間がなくなるだけでも、賃貸経営への向き合い方は変わるでしょう。
デメリットと注意点:入居者への負担と引き継ぎ

変更にあたっては、以下のデメリットとリスクも認識しておく必要があります。
1つ目は、入居者への一時的な負担です。管理会社が変わると、家賃の振込先口座が変更になります。入居者には振込先の変更手続きを行ってもらう必要があり、手間をかけることになります。案内が不十分だと「急に口座が変わるのは怪しい」とクレームにつながるおそれがあるため、丁寧な通知が欠かせません。
2つ目は、引き継ぎの懸念です。旧管理会社から新管理会社への鍵・書類・入居者情報の引き継ぎがスムーズに行われないと、変更直後にトラブルが発生した際の対応に支障が出ます。特に、現在進行中のクレームや滞納案件がある場合は、経緯を正確に引き継がないと問題が長期化するリスクがあります。
3つ目は、違約金と解約予告期間の確認です。現在の管理委託契約書には、解約予告期間(3ヶ月前が一般的)や中途解約に伴う違約金が設定されている場合があります。想定外の出費を防ぐため、契約書を事前に精査し、コスト面のシミュレーションを行っておきましょう。
トラブルを防ぐ管理会社の変更手順
管理会社の変更は、正しい順序で進めればオーナー様の負担を最小限に抑えられます。
全体の流れは「新会社の選定 → 解約通知 → 入居者通知 → 引き継ぎ → 業務開始」の5つのステップです。ここでは、工程ごとに「何を確認し、どう動くか」を掘り下げて解説します。
【見積もり・内定】複数社の比較と新会社の決定
最初に取りかかるべきは、次の管理会社を決めることです。新しい委託先が決まる前に現管理会社へ解約通知を出してしまうと、管理の「空白期間」が生まれ、入居者対応が手薄になるリスクがあります。必ず次の会社を内定させてから動くのが鉄則です。
見積もりを取る際は、委託費の金額だけで比較しないことが重要です。「集金代行」「滞納保証」「設備トラブル対応」といった業務がどこまで標準サービスに含まれているのかを確認しましょう。金額は安くても、対応範囲が狭ければ、結果としてオプション料金がかさむ場合があります。
候補は最低でも2〜3社に絞り、面談の際には「現管理会社に感じている不満」を率直に伝えてください。その不満をどう解決するかを、具体的な施策として提案してくれるかどうかが、パートナーとしての信頼度を測るポイントになります。
【解約通知】現管理会社への書面による通知
新管理会社が内定したら、現在の管理委託契約書を改めて確認します。国土交通省が策定した「賃貸住宅標準管理委託契約書」では、解約の申し入れは3ヶ月前までに書面で行うことと定めています。ただし、会社独自の契約条件を設けている場合もあるため、まずは手元の契約書に記載された解約条項を確認してください。
通知書に盛り込むべき項目
- 宛名(管理会社の正式名称)
- 差出人(オーナー様の氏名・住所)
- 対象物件の名称と所在地
- 解約申し入れの旨と根拠条項(「第○条に基づき」)
- 解約希望日
- オーナー様の署名
日付と解約希望日を明記することで、予告期間の起算日が明確になります。
通知は「言った言わない」のトラブルを防ぐため、内容証明郵便や、受領確認が取れるメール・書面など、記録が残る方法で行うのが望ましいでしょう。内容証明郵便は郵便局の窓口で手続きでき、発送日・内容・送達日が公的に証明されるため、確実な方法です。
解約理由は「経営方針の見直しに伴う変更」など、角が立たない表現で構いません。ただし、引き留めにあったとしても、意志が固まっているのであれば毅然と伝えることが大切です。解約通知後も予告期間中は管理業務を継続してもらう必要があるため、関係を悪化させない配慮を心がけましょう。
【入居者通知】新会社と連携した案内・振込先変更
新管理会社の管理開始日が確定したら、速やかに全入居者へ「管理会社変更のお知らせ」を通知します。入居者にとっては家賃の振込先が変わる重要な連絡ですので、丁寧かつ正確な案内が必要です。
通知書には、次の項目を漏れなく記載してください。
- 旧管理会社名と新管理会社名
- 管理変更日(新管理会社の業務開始日)
- 新しい家賃振込先口座(銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義)
- 新管理会社の連絡先(電話番号・メールアドレス)
- オーナー様の氏名
注意したいのが、振り込め詐欺との誤解を防ぐ点です。近年、管理会社変更を装った詐欺も報告されています。
入居者が安心できるよう、通知書はオーナー様の名義で発行し、新旧両方の管理会社名を連名で記載するのが望ましいでしょう。「ご不明な点は下記にお問い合わせください」と、新管理会社と旧管理会社の両方の連絡先を併記すると、信頼度が高まります。
通知のタイミングは、管理変更日の1ヶ月前が目安です。口座振替を利用している入居者の場合、金融機関での振替先変更手続きに2〜4週間かかることがあります。切り替え月に家賃の入金が途切れないよう、余裕を持って案内しましょう。
家賃保証会社を利用している場合は、管理会社の変更に伴い保証契約が継続できるかどうかも事前に確認が必要です。保証会社によっては管理会社変更時に再審査や再契約が必要になるケースがあり、確認漏れがあると保証が切れた状態で賃貸借契約を続けることになりかねません。新管理会社に「保証会社の引き継ぎ対応は可能か」を早い段階で確認しておきましょう。
同様に、火災保険についても確認が必要です。入居者が加入している火災保険の契約先や代理店が旧管理会社経由になっている場合、管理会社の変更に伴い保険の問い合わせ先や更新手続きの窓口が変わる可能性があります。入居者への案内に「火災保険のお問い合わせ先に変更はありません」「火災保険の窓口は○○に変わります」のいずれかを明記しておくと、混乱を防げます。
【引き継ぎ】鍵・書類・敷金の授受

引き継ぎは、管理会社変更の中でもトラブルが発生しやすい工程です。何を・いつまでに・誰が確認するのかを明確にしておくことが重要です。
引き継ぎの主な対象は次のとおりです。
鍵類
- 各部屋のマスターキー
- 共用部の鍵
- メールボックスの鍵
- 宅配ボックスの暗証番号
鍵の引き継ぎでは、本数の照合が欠かせません。旧管理会社が保管している鍵の本数と、管理台帳上の本数が一致しているかを必ず確認してください。紛失が発覚した場合、鍵交換の費用負担を旧管理会社との間で取り決めておく必要があります。
書類
- 賃貸借契約書の写し
- 入居者台帳(氏名・連絡先・契約日・賃料・更新日)
- 修繕履歴
- 設備の取扱説明書
- 法定点検の記録(消防設備点検・貯水槽点検など)
金銭関係
- 預かり敷金の残高一覧
- 滞納の有無と金額
- 家賃の入金状況
敷金(預かり金)の処理は特に注意が必要です。旧管理会社にオーナー様名義で預けている敷金がある場合は、まず旧管理会社からオーナー様へ返還してもらいます。その上で、新管理会社へ改めて預け直すか、オーナー様自身で管理するかを決めてください。敷金の返還が遅れると退去時の精算に支障をきたすため、返還金額と返還期日を書面で確認しておくことが重要です。
新管理会社からは「引き継ぎ完了報告書」を受け取り、漏れがないかをオーナー様自身でも確認しましょう。特に、契約書の原本と鍵の本数は最低限チェックすべきポイントです。
【業務開始】新体制でのスタートと初期対応
切り替え直後は、入居者にとっても「窓口が変わる不安」を感じやすい時期です。新管理会社の第一印象が、その後の入居者満足度を左右します。
業務開始後に優先すべき対応として、まず新管理会社の担当者による挨拶があります。入居者へ電話やポスティングで一報を入れるだけでも、「きちんとした会社に変わった」という安心感を与えられます。次に、旧管理会社時代に放置されていた不具合(共用部の蛍光灯切れ、排水溝の詰まりなど)への対応です。小さな改善であっても、目に見える変化は入居者の信頼獲得に直結します。
「前の管理会社の方がまだ良かった」と言われないためには、切り替え直後の1〜2ヶ月が勝負です。初期の対応品質が高ければ、入居者の定着率にも好影響を与え、長期的な収益安定につながります。
失敗しないための引き継ぎのポイント
変更手順を正しく踏んでも、引き継ぎの「質」が低ければトラブルは防げません。ここでは、実務上見落としやすい3つのポイントを取り上げます。
旧管理会社のモチベーション低下への対策
解約通知を受けた旧管理会社が、予告期間中に業務を怠るケースは珍しいことではありません。「どうせ離れるオーナーの物件」という意識から、共用部の清掃頻度が落ちたり、空室の募集活動が消極的になったりする場合があります。
対策として有効なのは、新管理会社と早い段階で連携し、予告期間中の業務状況をオーナー様自身も定期的に確認することです。具体的には、月次報告書の送付を求める、清掃の実施状況を現地で確認する、空室がある場合はポータルサイトでの募集状況をチェックするといった方法があります。
募集中の空室がある場合は特に注意が必要です。旧管理会社が募集を止めてしまうと、空室期間がそのまま収益のロスにつながります。新管理会社と相談のうえ、場合によっては予告期間の途中から募集業務のみ新管理会社へ移管する交渉を行うことも選択肢の一つです。
滞納者・トラブル案件の引き継ぎ
現在進行中の家賃滞納や騒音トラブルがある場合、その経緯と対応状況を新管理会社へ詳細に引き継ぐことが不可欠です。「滞納が○ヶ月ある」という事実だけでなく、これまでに行った督促の回数・方法・入居者の反応、保証会社への代位弁済請求の有無まで共有する必要があります。
ここが曖昧なまま引き継がれると、新管理会社はゼロから状況を把握し直すことになり、解決が遅れます。滞納案件であれば、対応の空白期間が長くなるほど回収が困難になるため、タイムラグは最小限に抑えなくてはなりません。
騒音トラブルや入居者間のトラブルについても同様です。「いつ・誰が・どんな内容で申告し、管理会社としてどう対応したか」の記録を時系列で整理し、書面で引き継いでもらいましょう。口頭だけの引き継ぎでは、経緯が正確に伝わらないリスクが高まります。

金融機関への事前連絡
アパートローンを利用している場合、金融機関によっては管理会社の変更を報告事項としているケースがあります。融資条件に「管理委託先の変更時は事前に届け出ること」と記載されている場合、無断で変更すると契約違反とみなされる可能性があります。
実務上、管理会社の変更が融資条件に直接影響を与えることは少ないものの、金融機関との信頼関係は長期的な資金調達に関わります。「管理体制の見直しにより、入居率の改善と収益の安定を目指す」という前向きな説明とともに、変更の旨を担当者へ一報入れておくのが賢明です。
連絡のタイミングは、新管理会社の内定後、旧管理会社への解約通知と前後する時期が適切です。金融機関から書類の提出を求められた場合に備え、新管理会社の会社概要や管理実績の資料を手元に用意しておくとスムーズです。
次こそ長く付き合える管理会社選びの基準
せっかく管理会社を変更しても、次の会社選びで同じ失敗を繰り返しては意味がありません。ここでは、長期的に信頼できるパートナーを見極めるための判断基準を3つ紹介します。
「手数料の安さ」と「業務品質」はトレードオフではない
「管理手数料が安い会社はサービスの質が低い」。賃貸管理の世界では、こうした先入観が根強く残っています。確かに、単純に業務を削って安くしている会社であれば、対応品質が犠牲になるのは当然でしょう。
しかし近年は、この常識を覆す管理会社が登場しています。グループ内で仲介・売買・リフォームを一貫して手がけることでスケールメリットを生かしたり、DX(ITツール)を活用して業務を効率化することで、管理手数料を大幅に引き下げながらも高品質なサービスを維持している会社があります。中には、管理手数料0円というモデルを実現している企業も存在します。
「安かろう悪かろう」を避けるためには、「なぜその価格設定が可能なのか」を確認することが重要です。業務を削って安くしているのか、それとも収益構造の工夫や効率化によって安くしているのかを見極めれば、コスト削減と品質維持の両立は十分に可能です。

空室を埋めるための総合的な提案力があるか
管理会社に求められる最も重要な能力は、空室を埋める力です。自社サイトへの掲載だけでなく、他社の仲介店舗にも積極的に物件情報を流通させているか(いわゆる「囲い込み」をしていないか)を確認しましょう。
単なる空室対策にとどまらず、将来の「売却」や「大規模修繕」まで見据えた提案ができる会社であれば、賃貸経営のパートナーとして長く付き合えます。市場ニーズに合わせたリノベーションで家賃アップを実現したり、出口戦略として最適な売却タイミングを助言してくれる会社は、オーナー様の資産価値を中長期的に守ってくれます。
また、24時間365日の緊急対応体制が整っているか、日常清掃の品質管理はどうかといった、既存入居者の満足度を維持する体制も確認ポイントです。入居率の高さは、新規募集力だけでなく、退去を防ぐ力の裏返しでもあります。
登録業者であるかの確認

賃貸住宅管理業法に基づき、管理戸数200戸以上の業者は国土交通省への登録が義務付けられています。登録業者であるかどうか(登録番号の有無)を確認することは、一定の業務水準と社会的信用を測る最低限のフィルタリングです。
登録業者には、業務管理者(賃貸不動産経営管理士等)の配置義務、管理受託契約前の重要事項説明義務、財産の分別管理義務といった法的な義務が課されています。未登録業者の場合、こうした義務が法的に担保されていないため、万が一のトラブル時に保護が手薄になるリスクがあります。
登録番号は、国土交通省の「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」で検索・確認できます。新管理会社の候補と面談する際には、登録番号を事前にチェックしておきましょう。

まとめ:管理会社の変更は「収益改善」への最短ルート
管理会社への不満(空室が埋まらない・対応が遅い・コストが高い)を抱え続けることは、毎月の機会損失につながります。変更手続き自体は、新管理会社のサポートを得ればオーナー様の負担はそれほど大きくありません。現状の課題を整理し、より良い条件の会社へ切り替えることは、正当な経営判断です。
本記事で解説したとおり、変更の成否を分けるのは「工程ごとの準備の丁寧さ」です。解約通知の書面、入居者への通知内容、保証会社や火災保険の確認、鍵・書類・敷金の引き継ぎ。一つひとつの工程を確実に進めることで、入居者への影響を最小限に抑えながらスムーズに切り替えを完了できます。
もし、「管理コストを下げたいが、品質は落としたくない」「将来の売却まで相談したい」とお考えなら、LPPプロパティマネジメントの「FREE管理®」を検討してみてはいかがでしょうか。管理手数料0円というコスト削減に加え、グループの協力体制による空室対策・リノベーション・出口戦略までトータルにサポートが可能です。
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